沖縄の老人の長寿の秘密を考える

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かなり以前に沖縄を旅行したことがあります。1988年の8月なので、なんと30年ほど前。その年の夏は冷夏長雨で、私が沖縄に向かった日の直前に梅雨があけたというほど冷夏長雨の続いた年でした。

そのとき、実は本当の目的は、中国に行くことでした。そのころ、鑑真号という中国上海行の安い船があったのですが、夏休みのど真ん中ということで、チケットが買えず、苦肉の策で考えたのが、沖縄⇒台湾⇒香港⇒中国、というルートを取ること。そして実際そのルートを取ることとし、まずは沖縄を目指しました。

この時の旅行の冒険談はいずれお話ししたいと思うのですが、沖縄では感動したことがありました。道に迷っていたときに、おばあさんに道を尋ねたところ、私の肩を抱きながらバス停まで案内してくれたことです。沖縄の人は優しかったです。今でも一番印象に残るよい思い出です。

さて、本題です。

沖縄には、長寿の老人が多いと思います。その理由は、いろいろ言われています。雨が多く低気圧になりやすい環境のもとでは心臓への負担が少ない、豚肉食べる習慣など医学的、食物学的などいろいろな見解を耳にして来ました。しかし、それは本当なのでしょうか?

沖縄料理の作り方に関する本でも、魚貝やお肉などその食材のバリュエーションは豊富で、確かに健康にも良さそうなものが多いと思います。ソーキそばや八重山そば、ラフテー、足ティビチ、ミミガーなど大好きです。ただ、豚肉を食べるから長寿なのかわかりません。

沖縄の歴史などはを読んでいると、昔からは質素なものを食べていたと思われます。食事の大半がさつまいもだったということを聞きました。恐らく、豚肉などはお祝いなどのときにたっぷりと、余すところなく食べたのでしょう。普段は、さつまいもを主食にしていたとのことです。

さつまいもを常食にしていたとすると、食物繊維、ビタミンCをたっぷりとることができると思います。メインはさつまいも。お肉はときどき。そのほか海産物を食べていたとすれば、バランス的にも長寿の条件か整ってくると考えられないでしょうか?私の拙い考えですが、さつまいもを中心した粗食こそが長寿を生み出しているのではないかと思うのです。

もっとも江戸時代以降の歴史をみてみると、沖縄が大変厳しい立場に置かれていることを忘れてはいけないと思います。そのため、沖縄の歴史的背景を無視して粗食が良いとは単純には言えないことも認識しておく必要があるでしょう。豚肉を食べるのは、お祭りのようなお祝いのときで、普段はさつまいもやお野菜などの粗食。これが沖縄に長寿の方が多いという一つの仮説と思います。

それにもかかわらず沖縄の人たちは歴史的な荒波を乗り越える精神と文化、そして食生活でもって乗り越え、長寿の人たちを生み出していったように感じます。そもそも、日本人は江戸、明治ころまでは粗食を基本としており、それでも明治維新を成し遂げたり、日露戦争に勝利したりと偉業を成し遂げてきました。ある意味足ることを知っていたのだと思います。

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