大分昔に、林望さんの『イギリスはおいしい』という著書が有名になり、大いに売れたことがありました。私は、イギリスには一度しか行ったことはなく、しかも短期間でした。
私はなんでもありがたがって食べるタイプでもありますが、それを割り引いても、短いイギリス滞在の中でおいしい食べものがありました。
フィッシュ&チップスは、ジャンクフード的かもしれませんが、やはりおいしいです。チャイナタウンで食べた麺なども、日本では食べられない味で、今となっては良い思い出です。
イギリスでおいしかったのは、二つありました。ひとつは、インドカレー。これはやはりインド人が多くて日本以上にレストランの歴史と厚みがあるからでしょう。辛さの効いた物はなかったですが、味は日本で食べる水準と同じといっていいかと思います。
一番印象に残っているのは、ホテルの朝食バッフェです。バッフェなど、いいホテルならどこでも同じようなものなのでしょうが、私が宿泊したリージェントパークのそばのホテルはのバッフェは素晴らしかったです。フルーツやパンなどバリュエーションがいいというのもありますが、私がこれは素晴らしいと思ったのは、鯖の燻製があったことです。
日本で鯖の燻製を食べたことはありません。ひょっとしたら地方とか、特定のレストランのオリジナル料理としてあるかもしれません。
しかし、さりげなく盛られた鯖の燻製を食べたとき、おいしく、またうれしく、日本との親近感を感じました。イギリスにはおいしいものがありますし、世界的なレストランの情報でも出てきますので、ますます洗練されて来ているのでしょう。