寒さに備えて体が温まる食べ物を

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今日は少し体を温める食べ物について触れてみたいと思います。

話しはいきなり、禅の話しになりますが、私が時々取り出して読む本に、白隠禅師の『夜船閑話(やせんかんな、と読みます)』という本があります。白隠和尚は、江戸時代に禅宗を再興させ、禅中興の祖として知られる名僧です。

その本を読んでいると、白隠和尚は、禅の修行のし過ぎで、頭は熱し足は氷のように冷たく、極度の体調不良に陥ったことに言及されています。

今でいえば、うつ病をはじめ複合した自律神経の異常に陥ったのだと考えられます。

結果的には、軟酥黄卵(なんそおうらん)の法という瞑想法の一種で完治したことが記述されています。この軟酥黄卵の法については別の機会の説明に譲りたいと思います。

その後白隠禅師は極めて健康になり、冬に素足でいても体は寒くなく健康を維持できたと話されています。いわゆる、頭寒足熱に戻ったわけです。

白隠和尚は、こうして身体的危機を乗り切りました。おそらく、その後も体調が悪いときなどは、この瞑想法を実践していたのだと思います。

さて、こうした方法論に加えて、もうひとつ健康の要素があったと私は考えています。

少しまた話しはずれます。以前取り上げた水上(みずかみつとむ)さんの『土を喰らう日々』の中に、根野菜を中心とした煮物が出てきます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、水上勉さんは出家の経験がありました。出家したのは禅宗の寺でした。そして、この書物は旬の食べ物を月ごとに挙げています。

ここまで来て言えるのは、白隠和尚もそうですが、独自の健康法プラス旬の食べ物を食べ健康を維持していたと言えるのではないか、ということです。いまなら、根野菜の煮物などです。それらは、体を温めるものとして私たちも取り入れられるのではないでしょうか。水上さんのレシピでは、醤油と水だけで根野菜を煮ます。

先日、私の妻が子どもと外食する機会があったのですが、そこで出されたお味噌汁に、シジミとごぼうが入っていたとのこと。ごぼうは根野菜ですし、シジミは肝臓にもいいので、お酒が増えるこの時期大変良いのではと思います。

ごぼうは、中国では薬用で使いますが、食用で食べるのは日本だけだそうです。昔の日本人はすごい発見をしてくれました。まさに根野菜です。

ちなみに、禅ついでに言うと、良寛和尚は、健康法のひとつとして、酒は温めて飲むべし、といっています。良寛和尚が飲んでいたのは日本酒でしょうから熱燗にして飲んだ方がいいと言っているのだと思います。

マクロビ料理では、黒豆は体を温めるものでご飯にかけて食べたりしますが、黒豆も毎回ではないにしろ、茹でて作り置きしておきご飯に乗せるなどして、時々食べるといいかもしれません。

そのほか、大根や生姜もいいですね。風邪ぎみやすごく寒いときなどは、うちでは紅茶に生姜入れて飲んだりしています。 以前取り上げた風邪のときの大根スープも、風邪でなくても日常に取り入れると良いかもしれません。

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