餃子のことなど、中国の料理について何度か書きてきました。今日も、粉食文化の技、と題して書いてみたいと思います。なんかいかめしいですが、要は小麦粉で作った麺、餃子などです。
青木正児と言う人の本に『華国風味』という有名な本がありますが、未だ読み通したことがありません。何しろ岩波文庫なので漢字が多く、気合いがないと読めないです。何回かトライしましたが、残された課題です。小麦粉を使ったいろいろな中国の粉食についての長めのエッセイ集といったところでしょうか。
何しろ中国の粉食文化は遠くヨーロッパまで伝わり、パスタができたというくらいですので、恐ろしく長い歴史があります。
蘭州の牛肉麺を出す店が日本にできたことは、以前のブログで少し触れたかと思います。麺作りの描写をしたサイトなどにはあまり出会わないので少し書いてみたいです。もちろん、これは目撃談程度にすぎないです。
牛肉麺の麺は、最初は小麦粉の丸い塊です。それをよくこねていきます。すごくチカラを入れて、腰を入れて練りこんでいきます。どの時点かわかりませんが、麺のこねが、満足いく段階になったところで、麺を細くしていく段階に入っていきます。
最初は小麦粉の塊を二つに折ります。それを引っ張って伸ばし、四つに折ります。伸ばして、更に倍の本数。作っていく動作を繰り返します。そして、ある段階に至ると、両手で持っている麺をまな板に叩きつけるようにして最後の伸ばしを行います。面だけをまな板に当てるように叩きつけます。
反動で上がってきている時には、見事な細長い麺が出来上がっています。イメージとしては南京玉すだれのような感じです。ちょっと古いかな。
それを後は茹でて、スパイシーな汁に入れ出してくれます。この技は、目の当たりにすると感動します。まさに、粉食文化の真髄と言えるかと思います。ただ、この技を見ながら牛肉麺が出来上がるまで、40分くらいは待たなければなりません。中国4000年の味を味わうには時間が必要です。
同じく蘭州での食堂見学での目撃談。
ある餃子屋さんに入っていつものように厨房や餃子作りの様子を見ていました。餃子の皮を作るお姉さんが、小麦粉をこね、皮ができるほどの大きさに切ったものを、手で上から叩きながら10個ほど横一列に並べました。次に何をするかと見ていると、その10個の小麦粉を長いのし棒でのし始めました。すると、一瞬にして皮が10枚できました。
粉食文化おそるべし、と言った感じでした。華国風味とは、まさにこのような生態系と歴史に根ざした食文化ということを実感しました。