私は、麺の中でもタンタン麺が結構好きです。タンタン麺は、担々麺とか坦々麺とか表記されますね。
タンタン麺は、天秤棒で食材と調理道具を担いで売り歩くというスタイルのいわば屋台料理がルーツです。中国の四川省が発祥です。
かなり前になりますが、四川省の成都で、タンタン麺で有名な国営食堂に行きました。注文してワクワクして待っていると、小さな茶碗に入った麺の上に、辛い味噌がのったものが出されました。
驚いたのは、量が少ないのと、汁がなかったことです。なるほど、屋台料理だったので、麺を七輪で茹で出すので、辛い味噌のトッピングのようになっているのだ、とわかりました。
中国人は、一椀の量が少ないので、何個かまとめて注文していました。味は美味しかったですが、日本人には判断が難しい味かもしれません。
それにしても、日本人はアレンジがうまく、日本式のスープがあるタンタン麺は素晴らしいと思います。よくああいうアレンジができるものだと思います。餃子でもラーメンでもそうですが、日本式に美味しいスタイルに再構築してしまう能力はすごいと思います。
いまでは、汁なしタンタン麺も人気があるようです。くら寿司などチェーン店のお寿司屋さんでも食べられます。タンタン麺に必須といっていい山椒もしっかり効いたものが多くなっていますし、結構水準が高くなっているように思います。
考えてみると、寿司も屋台から始まって、世界に広まり、いまや和食の代名詞のようになっていますが、屋台発祥の料理はあなどれないです。それと、食を洗練する能力とアレンジする日本人の能力は世界的にみても、高いと思います。