ステーキを食べたのはいつのことか、と思い出してみると、お恥ずかしいことに、田舎から受験で出てきたときに、宿泊したホテルで出された夕食で供されたステーキが初めてかもしれません。
受験生の夕食ですので、そんな分厚いステーキではなく、薄いステーキでした。ナイフで切ると中は赤みが残っていて、これがステーキの焼き方かと思いました。ミディアムだのミディアムレアなどの言葉ももちろん知りません。
大学時代に食べ歩きを始めたものの、ステーキだけは大人の領域っぽく、また学生には高価な物なので、ステーキはいわば聖域のようなものでした。大学生、大学院時代、その後の就職後の独身生活では、テキサスというステーキ屋だったり、くいしんぼというステーキ屋だったり、手頃なステーキ屋に行っていました。いまだったら、いきなりステーキとかありますが。
私かステーキの素晴らしさに目覚めたのは、ニューヨークで食べたステーキ経験からでした。駐在員なので、接待的な利用も可能だったため、あちらこちら行ってみました。プラダを着た悪魔にもちらと出てくるスミス&ウォーレンスキー。玄関のドアの前でギャングが撃たれたというストーク。ブロードウェーにありミュージカル前の腹ごしらえに使われるギャラガー。ステーキ店の玄関には、お肉がぶら下げられており、いかにもステーキ屋に来たなという感じですし、いやが上にも期待が高まります。
新興のお店で、ソーホーというおしゃれ地域にあるソーホーステークなど。その他、お店の名前は忘れましたが、ミートパッキングディストリクトにあるステーキレストラン。私は結局行きませんでしたが、ブルックリンのピータールーガーはその頃ナンバーワンと言われていました。もちろん、ここは今でも筆頭に上がる名店です。
料金的には、4,000から5000円くらいで、3センチくらいの厚さの、大きなステーキが食べられました。表面は焦げるくらいに焼き中は見事なレアのステーキは、大きいにも関わらずするすると食べられてしまいます。私は、スミス&ウォーレンスキーのステーキが好きでした。アメリカだと、大体付け合わせはマッシュポテト。マッシュポテトは食べ放題。
昨年、夏休みに行ったホテルのバーベキューで出た肉がアメリカで食べたステーキ肉に近く、一人で食べてしまいたいくらいでした。一ポンドステーキ肉です。憧れですね、一ポンドステーキ肉。
ちなみにですが、お肉を食べる場合、3cmくらいの厚さに切って焼いたほうが栄養の点から考えてもよいようです。そう考えると、アメリカのステーキは理にかなっていると思います。