私は田舎育ちなので、子どもの頃はよく母親の農作業を手伝いました。
そのおかげで、畑も備中ぐわで起こすことができますし、田植えでも手で苗を植えることもできますし、上手いと思います。昔は肥溜めといって糞尿を貯めておいて肥料に使う場所があり、そこから肥を汲んでは畑に撒く作業も手伝っていました。
子どもなので、畑からきゅうり、トマト、スイカなどをとってはそのまま食べてました。美味しかったです。スイカをそのまま食べる?そうです。その場で強引に割ってしまうのです。もちろん綺麗に割れず、適当に割れたものをがぶがぶ食べていくわけです。ワイルドでしょ?
その頃と比較して思うのですが、気づくことがあります。まず、きゅうりのトゲが少なくなったこと。きっと品種改良が進んだのでしょう。トゲトゲのきゅうりなどほとんど見なくなってきたと言っていいと思います。
それと、トマトも昔はもっとすっぱかったように思います。もちろん今のトマトでも、そこそこすっぱいのですが、もっとすっぱくて、トマトが嫌いな子どもがいたのもむべなるかな、といった感じだったと思います。
ピーマンもそうです。昔は、もっと緑色が強く出て、味もいかにもピーマン、と言った具合でした。
今は、品種改良によって、より食べやすく改良もされているのでしょうが、一番問題なのは、栄養素の含有量が低くなっていることです。一説によると、戦後まもない時代と比べると野菜の栄養価は下がっているとも聞きます。
いまは、産地と生産者が開示されるようになってきたり、自主流通の野菜もありますので、そうした農家の人たちの努力が、野菜の質を維持してくれるだろうと密かに期待しています。よりよい野菜を作るために努力する姿が見えることは、作る側にとっても、消費する側にとってもいいと思います。
野菜の色と匂いは、そうした品質の良さを保証する重要な要素ではないかと思います。