食文化論

融合の魔術 日本式アレンジ

私が大学院で勉強をしていたときの話しです。国際関係論で業績をあげられた先生がいらっしゃいました。その先生は、外国人留学生に対して、日本文化とは何かということを説明するするとき、講義にかならず「あんぱん」を持ってきていました。もちろん、講義の最中に食べるのではありません。

あんぱんを掲げて、日本文化とはこれです!と言って説明し始めるのです。あんぱんの外側は「パン」という西洋のもの、中身は「あんこ」という日本のもの、このようにうまく融合させたものが、日本文化の本質であり、日本文化とは何かへの回答です、というのです。大体このような説明でした。

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ビールについて考える

私は、かなり前に、昼間はサラリーマン、夜は居酒屋の手伝いをした経験があります。あまりそういったことする人はいないですよね。

ランチに行っていた居酒屋のママさんから手伝いを頼まれ、ボランティアで手伝っていました。昔からそうなのですが、家庭教師をしたり、知的な作業をすることも嫌いではないのですが、軽い労働をするのは好きです。実際、大学時代、大学院時代も飲食店や歌手の楽器運びをしたりしていたので多少体を動かすのは性に合っています。手伝った居酒屋のママさんも私がそのあたり、得意であることを見抜いていたようです。

そのお店は、客層はよく、官公庁の人たち、大企業の管理職の方々などがきていました。お客さんが、私にビールを奢ってくれるので多少売上には貢献していたと思います。飲みきれず、ビールのボトルキープがたまっていました。

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高尾の自然と北条氏照

今日は、少し歴史に関連するお話しをいたします。

高尾に来て知ったのですが、高尾駅からそんなに遠くないところに八王子城跡というところがあります。八王子城を作ったのは北条氏照。大変戦さに強い武士だったとのことです。北条早雲から四代目の北条氏政の弟でした。北条氏は、北条早雲にはじまり五代氏直に至るまで、おおよそ100年にわたり関東を平定していき、治めていきます。鎌倉時代の北条氏と区別して後北条氏と言われます。最後は、豊臣秀吉によって滅ぼされ、関東は秀吉によって平定されてゆきます。

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中華料理の基本について考える

中華料理の基本は何か、という問題を以前から考えてきました。青椒肉絲、麻婆豆腐といった特徴のある料理が確立されていることなのか。あるいは、油で炒めることなのか。中華鍋と中華包丁を使うことなのか。よくよく考えてみると、本質を捉えることは難しいように思います。ここでは、私論を述べてみたいと思います。

これまでのコラムで、餃子のことなど中華料理の一端に触れてきました。私は、バックパッカーとして中国を回った時、ごはんを食べるレストランで必ずといっていいほど厨房に入れてもらっていました。

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バーベキュー礼賛

我が家はそんなに頻繁ではないですが、バーベキューをやります。子どもの同級生と親御さんたちが集まってのバーベキューなどもやります。やはり大勢でやるのはいいですね。

高尾周辺だとバーベキューをする場所は、いくつかあります。夕焼け小焼けふれあいの里、日影沢キャンプ場、相模湖あたりまで入れるとさらに場所は増えます。

我が家の場合は、陣馬高原に向かう途中にある夕焼け小焼けふれあいの里が、比較的便利で、料金も安いのでよく使っています。最近は、高尾山にも手ぶらバーベキューができたので、気軽に行くとしたら手ぶらでという手もあります。

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中国人の元気の秘密

たびたび中国ネタが出て来ますが、少しお付き合いをお願いします。

バックパッカーで中国を回っていたときのことです。長距離を列車で移動することを何度か経験しました。72時間乗ったのが最長記録でした。新疆ウイグル自治区の区都ウルムチから北京まででした。B級寝台車にゆられて72時間。夏だったので暑かったです。

もう30年とか前の話で、その頃まだ中国で現地の人たちが長旅する機会はそんなに多くはなかったと思います。その分、長距離列車のたびは当時の中国人にとっては一大旅行だったと思います。

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沖縄の老人の長寿の秘密を考える

かなり以前に沖縄を旅行したことがあります。1988年の8月なので、なんと30年ほど前。その年の夏は冷夏長雨で、私が沖縄に向かった日の直前に梅雨があけたというほど冷夏長雨の続いた年でした。

そのとき、実は本当の目的は、中国に行くことでした。そのころ、鑑真号という中国上海行の安い船があったのですが、夏休みのど真ん中ということで、チケットが買えず、苦肉の策で考えたのが、沖縄⇒台湾⇒香港⇒中国、というルートを取ること。そして実際そのルートを取ることとし、まずは沖縄を目指しました。

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立ち食い蕎麦について

魯山人など高尚な芸術家の話しを取り上げて来ましたが、お恥ずかしいことながら私は、立ち食い蕎麦が大好きです。

まず、私の好物が、蕎麦であるということもありますし、また手頃で安いというのもあります。それに意外と個性のある立ち食い蕎麦屋も多いということも立ち食い蕎麦好きの理由かもしれません。

先日、本屋で立ち読みをしていて、立ち食い蕎麦を食べ歩いた立ち食い蕎麦マニアの人の本を読みましたが面白かったです。私もなりたいぐらいですが、その人に比べると圧倒的に食べた数は少ないのでなれないでしょう。一体日本全国でどれくらいの立ち食い蕎麦屋があるのでしょうか?

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シシカバブの魅力とおいしさのポイント

シルクロードの味

大分昔にシルクロードを旅したとき、初めて現地のシシカバブを味わい魅了されてしまいました。

おそらく、クミンという素晴らしいスパイスの魅力が大きいのではと思っています。涼しげで清涼感ある味ながら、エキゾチックな香りはずば抜けた魅力を持つスパイスかと思います。

シルクロードで私が行ったのは、中国の新疆ウイグル自治区ウルムチとカシュガルというところです。ウルムチは、大都市で、ある意味洗練されており、クミンをふんだんに振りかけることが多かったように思います。それと、塩、唐辛子をかけます。そのバランスは絶妙でした。

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アルデンテと食のシステム

アルデンテ

日本でパスタを食べると、どこのレストランでもアルデンテで出してくれます。以前、ベルギーのパブでパスタを食べたことがありますが、よく茹でられていて、昔給食で出たソフト麺ほどではないにしてもそれくらい柔らかかったです。もっとも、それはそのお店だけで、ベルギーでパスタを出すお店が皆そのようなお店ばかりではないことはお断りしておきましょう。

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