食文化論

野菜の強さ

家庭菜園の楽しみ

高尾に引っ越してから、子どもと畑を始めました。以前もお話ししたように、かなり前に有機農法を試みたことがありました。久しぶりにやってみるとなかなか大変で、やはり有機農法で行なっているのですか、虫が発生したり、ハクビシンに野菜を取られたりとそれなりに大変です。

ただ、子どもは、自分の畑でとれたイチゴ、ナス、ピーマンなど食べたり、おすそ分けでひとにあげたりすることで、野菜や作りが自慢になり、また自信もついてきたようです。

畑はいたるところにあるのですが、コネもないのでなかなかよいところが当初は見つからず、今はシェア畑というところを借りて野菜つくりをしています。種やアドバイザーの指導が料金にインクルードされているので、リーズナブルかと思います。

相模原の藤野あたりに住んでいる友人家族は、広い土地を借りてやっているので、いずれはそうしたところを借りたいところです。小仏あたり、住所では裏高尾町になりますが、そちらあたりで借りられるといいなとも思っています。

続きを読む

中国と日本のラーメンの違いについて考える

中国の驚きのラーメン事情

筆者は、ラーメンが大好きです。とはいうものの、毎日食べないといられないとか、1週間に3回くらい食べないと気が済まないとか、そこまでのこだわりはありません。単純に美味しいラーメンは好きと言ったタイプです。

以前中国をバックパッカーとして旅行したとき、中国と日本のラーメンの違いに少し驚きました。最初のショックは、上海でラーメンを食べたときでした。筆者の経験からしますと、ラーメン、中国語でいうなら拉麺ですが、拉麺という言い方自体少なく、どちらかというと少数民族地帯では、使われていました。例えば、新疆ウイグル自治区だったり、内モンゴル自治区などです。

続きを読む

餃子の主役は皮?具?

餃子の主役は皮?具?

皆さんは、餃子が好きでしょうか?ひょっとしたら、聞くだけ野暮かもしれません。餃子はいまや、日本の国民的食べ物といってもいいくらい日本人の食生活に溶け込み、好まれていると思います。もっとも、中国の餃子とは、少し違いますが、うまく日本化し、美味しいものになっています。

もう一つ質問です。餃子は、皮が主役でしょうか?それとも、具がメインでしょうか?この質問への回答は賛否両論分かれると思います。以下で、この問いに関して考えてみたいと思います。

続きを読む

寿司屋で怒られた話

隠れ家的な寿司屋

大分昔に、友人に連れられて阿佐ヶ谷にある寿司屋に行きました。その寿司屋ご主人は、都心の有名寿司店で修行して、暖簾分けしてもらったのだそうです。修行したお店は、政治家とかも出入りする寿司屋で、一流の人たちに揉まれたこともあり、ちょっと説教くさいところがありました。寿司屋すべてがそんなところばかりではないでしょうし、そのご主人が横柄だから悪いと言っているわけではありません。

続きを読む

移民の料理店の底力

グルメの町ブリュッセル

以前ベルギーで短期間仕事をしたことがあります。ベルギーは静かな街で、ヨーロッパの成熟を象徴するような街でした。東京からいきなり落ち着いた街に行ったので最初は少し戸惑いました。

ストランは夜の20時くらいからしか開かなかったり、土日休みはお店は閉まっているところは多く、パン屋だけは朝早くから開いていました。何事もゆったりと時間が流れていきます。

美味しいものもいっぱいありました。ワッフル、チョコレートだけでなく、ベルギーのフライドポテトであるフリッツ、ムール貝。

続きを読む

創造的な料理の力

創造性あふれたニューヨークのレストラン

筆者は、以前ニューヨークに駐在したことがあります。ニューヨークは、それは楽しい街で、みんな明るく、活気のあるビジネスとワクワクするエンターテイメントに溢れた街でした。世界的な都市であるため、当然世界中のグルメが集まってきます。

ひとつひとつ挙げたらきりがないくらいです。ニューヨークの有名レストランの中でも、特に有名なもののうちのひとつに「ノブ」があります。ロバートデニーロと共同経営を行なっている松久さんは、初めは日系レストランの先駆であるロッキー青木の寿司屋に弟子入りし、その後、ペルー、アルゼンチン、米国アラスカと渡り歩き、ロサンゼルスで頭角を現したころ、ロバート・デ・ニーロに誘われて、ノブを共同経営することになります。

続きを読む

大地と人間の接点を探った福岡正信

福岡正信の自然農法

最近は農業への関心も高くなっており、将来の食糧事情を考えると、関心を持たざるを得ない状況にあるといえるかと思います。

私は今から30年近く前に有機農法に興味を持ち、福岡正信の農法のまねごとをしたことがあります。当初は普通の自然農法から始めました。農薬、除草剤を使わず、今までの耕作でかちかちになった土を柔らかくするところから始めました。堆肥を作ったり、鶏糞を使ったり、ミミズを畑にはなしたりしました。時間はかかりましたが、手がすっと入るぐらい土は柔らかくなり、感動したのを覚えています。

完全な福岡正信の農法の実践ではなかったですが、懐かしい思い出です。

続きを読む

日本の食文化におけるマクロビの位置

日本が生んだマクロビオティック

桜沢如一。さくらざわゆきかず、と読みます。この名前をご存知の方は少ないかもしれません。マクロビオティックの大成者で唱導者、というとご存知の方が増えるかもしれませんが、それでもまだ少ないかもしれません。彼は、食養法の創設者、石塚左玄の業績を受け継ぎそれを発展させて海外に知らしめました。海外ではジョージ・オーサワの名前で知られています。その影響はかなり強く、アメリカにおける60年代のヒッピームーブメントを始め、アーチスト、ミュージシャン、俳優・女優など多くの分野の人々に影響を与えました。ジョン・レノン、前衛音楽のジョン・ケイジなどにも影響を与えています。

マクロビ、マクロビと今は言われ、認知度も以前よりはさらに上がったかと思われます。そして、マクロビオティックは、欧米でできたものと思われがちですが、実は桜沢如一という日本人が体系化したものです。

最近まで知らなかったのですが、桜沢は、お金を持たずフランスに渡り、著作でもって生計を立て、マクロビオティックの普及を目指しました。日本においては、戦時中も反戦的な態度を貫き通しました。こんなすごい人がいたのですね。まさに明治生まれの気骨者、といった感じです。

続きを読む

いまこそ魯山人に学ぶ

スローフードを超えて

スローフードがいわれるようになってから久しいと思います。調べてみるとそもそもの始まりは、1980年代後半にイタリアで始まった伝統食、地域の食文化を見直す運動らしいです。世界のどこでも同じものをスピーディに供するファーストフードに対するものであるのは言うまでもないでありませんが、食についての大きな問題提起であったとは言えます。

その効果と影響力がどれほどであったかはわかりませんし、ここでは、その問題には触れません。むしろ、そうした運動のモチーフを先取りする取り組みを早くから行っていた日本人に触れてみたいと思います。そこから、改めていま食文化の見直しのヒントを考えてみたいと思います。その人物とは書家、陶芸家、美食家といった多面的な側面を持つ芸術家、北大路魯山人(きたおうじ ろさんじん)です。

続きを読む

プロローグ 中野照太の食文化論ブログ、オリジナルレシピまで

中野照太の食文化論ブログにようこそ!

このブログでは、あらゆる視点から、食文化を語ります。食に関するエッセー、様々な食をめぐる経験、海外の食べ物、オリジナルレシピ、素晴らしいレストランの紹介、安心・安全など、食をめぐりあらゆる切り口から食文化を語ります。それによって、読者の方に役立つ情報を提供しながら、家庭の食文化を構築するお手伝いをしたいと思います。

続きを読む